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No117 Salako Taka/Hopi Cloud Man
前回紹介したSalako Manaの男性の方です。
今回は特に解説することがないので、偶然読んでいた、河合隼雄著の「ナバホへの旅 たましいの風景」の中で、「なぜKachinaに惹かれるのか?」という問いに対する解答の参考になりそうな文章があったのでご紹介致します。
Kachinaを見ることにより、Kachinaのイメージ・インスピレーションを感じることにより、「神話の知」を視覚的に感じている・理解しているから、Kachinaを見ると懐かしい気持ちになったり、気持ちが安らぐのかもしれません。
(以下は河合隼雄著の「ナボホへの旅 たましいの風景」より抜粋)
科学の知のみに頼っている世界を見るとき、人間は孤独に陥るが、関係回復の道を示すのが「神話の知」であると、哲学者の中村雄二郎が指摘している(『哲学の現在』岩波新書、1977)。彼は「神話の知の基礎にあるのは、私たちをとりまく物事とそれから構成されている世界とを宇宙論的に濃密な意味をもったものとしてとらえたいという根源的な欲求で」あると言う。そして、神話の知は「ことばにより、既存の限られた具象的イメージをさまざまに組合わすことで隠喩的に宇宙秩序をとらえ、表現したものである。そしてこのようなものとしての古代神話が永い歴史のへだたりをこえて現在の私たちに訴えかける力があるのも、私たち人間には現実の生活のなかでは見えにくく感じにくくなったものへの、
宇宙秩序への郷愁があるからであろう」と述べている。
短い説明であるが、これで現代の心理療法家が神話に関心をもつ意味がわかって下さったと思う。われわれは常に現代人の「関係回復」の仕事を助けねばならず、そのためには「神話の知」が必要なのである。

”Hopi Indian Kachina Doll” by Oscar T. Bransonyより引用